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データベース型求人サイトのSEO対策のやり方、注意点
通販サイトや求人サイトは、一般的なウェブサイトとは少し違います。これらはデータベース型のサイトで、似たようなページが多くあります。
そのため、通常のSEO対策だけでは効果が出にくい場合があります。今回は、通販サイトで20年、求人サイトで18年の運用経験を持つ私が、このデータベース型求人サイトでのSEO対策の最善の方法と事例及び注意点をご紹介します。
目次
1. データーベース型とは
データベースについて詳しく説明すると、話が広がりすぎるので、今回はデータベース型の求人サイトに焦点を当てます。
簡単に言うと、データベースはエクセルシートを3Dにしたようなものです。エクセルが平面的なデータを扱うのに対し、データベースはそれを複数層に重ね、各層を関連付けて管理します。
エクセルシートは1人で使い、データーベースは複数で利用するようなイメージです。
2. データーベース型SEO対策とは
一般的なSEO対策では、検索キーワードを決めて、そのキーワードに特化した高品質なページを作成します。
しかし、データベース型の求人サイトはちょっと違います。ここでは、データベースから情報を取り出して、テンプレートに基づいてページを表示します。そのせいで、似たようなページが増えがちです。
そのため、テンプレートやサイト内のリンク、さらには訪問者の行動を考慮に入れて、サイト全体の構造をしっかりと考えないと、SEO対策は成功しないでしょう。
3. データベース型求人サイトSEO対策の注意点
一般的なSEO対策ではページに高品質のコンテンツページを作り、集客をおこなっていきます。しかし、データベース型求人サイトの1番のコンテンツは求人情報になります。まずはそこを認識することが重要です。しっかりした求人情報を作りましょう。
(1) ロングテールSEO
さらに、Googleのインデックス数も大事なポイントです。データベース型の求人サイトでSEOを成功させるためには、「ロングテールSEO」がキーとなります。
これは、多くの異なる複数キーワードで検索にヒットすることを狙う戦略です。そのためには、多数のページがGoogleにインデックスされていることが必要です。
(2) 高度なWEB知識が必要
データベース型の求人サイトを作るには、高度なWEBとITのスキルが求められます。
これは、WordPressでブログを作るような簡単なものではありません。必要なツールも多く、Google用のサイトマップ、Googleしごと検索用の構造化データ、Indeedやスタンバイ、求人ボックス向けのXMLファイルなど、たくさんの要素が絡みます。
これらをうまく管理し、効果的なマーケティングを展開することが、SEO成功のカギです。単にページを作るだけでは、SEOはうまくいかないのです。
(3) データーベース型求人サイトの注意点
データーベース型求人サイト制作の注意点についてはいくつかの項目があります。
- 求人サイトのサイト名
- カテゴリーページのタイトル、ディスクリプション、キーワード、H1、H2
- 求人詳細ページのタイトル、ディスクリプション、キーワード、H1、H2
- 都道府県、市町村、駅、路線などのエリアにプラス、検索キーワードに使われるような特徴やワードでカテゴリページを作成
- 動的URでなく静的URのページを偽装でつくる
- インデックス数を管理する
- 同じようなページが増えるので工夫してページを作成…など
① データベース型求人サイトのサイト名
サイト名に狙っているキーワードを自然にいれてサイト名を作りましょう。サイト名はSEO対策でも重要になります。あまりビックキーワードを入れてもSEOで上位に食い込むのは厳しいです。
隙間を狙い、大手求人サイトの順位に食い込めるようなキーワードを入れるようにしましょう。初めて求人サイトを運営するにあたり、indeed・求人ボックス・スタンバイや大手で10年以上運営している求人サイトにビックキーワードで勝つことは大変難しいことです。小手先のSEOではかなわないし、ブラックSEOで一時的に勝ててもすぐに落ちていきます。
② カテゴリーページのタイトル、ディスクリプション、キーワード、H1、H2
データベース型の求人サイトには、多くのカテゴリーページがあります。例えば、「職種別の求人×地域」や「職種別の求人×最寄り駅」など、複数のキーワードに対応したページが作られます。
これらのページには、タイトル、ディスクリプション、キーワード、H1(大見出し)、H2(小見出し)などをしっかり設定する必要があります。これはSEO対策の一環であると同時に、求職者がページを選びやすくするための工夫でもあります。
③ 求人詳細ページのタイトル、ディスクリプション、キーワード、H1、H2
求人詳細ページは非常に重要な役割を果たします。なぜなら、データベース型の求人サイトで最も多くアクセスされるのがこのページだからです。
多くのアグリゲーション型求人サイトは、他のサイトから求人情報を収集することから、詳細ページをGoogleへノーインデックス(noindex)にしています。インデックス(index)にするとただのコピーページになるからです。
これが、Indeedの求人がGoogleしごと検索に表示されない理由の一つです。
そのため、求人詳細ページにはできるだけ企業名や支店名を含めると良いでしょう。これは、企業名などで直接検索する求職者がいるからです。たとえその時点で応募や問い合わせがなくても、サイトに訪れてくれるだけで求人サイトにとってはメリットがあります。
この点を考慮に入れて、タイトルやディスクリプションのテンプレートを作成しましょう。
④ カテゴリーページにエリアや特徴、諸条件を入れる
カテゴリーページには、エリア(市町村、駅、路線)や特徴、条件などをしっかりと入れましょう。
これは、求職者が複数のキーワードを使って、自分に合った求人を素早く見つけたいと考えているからです。ここで工夫を凝らせば、大手の求人サイトよりも検索結果で上位に表示されるチャンスがあります。
だから、求職者の視点に立ち、ペルソナを設定してカテゴリーページのテンプレートを作成しましょう。
➄ 動的URでなく静的URのページを偽装でつくる
インデックスされたカテゴリーページを作成する最良の方法は、検索結果ページ自体をカテゴリーページとしてインデックスさせることです。
別のページを作成する手法も存在しますが、SEOの観点からは、Preferred Landing Page(PLP)の関係で、同じテーマのページが複数存在すると不利です。
このような状況では、検索結果によってトラフィックが分散してしまい、本来インデックスさせたいページが検索結果に表示されないという問題が起こる可能性があります。
そのため、サイト内でのページ設計においては「1ページ1テーマ」を基本にし、データベース型の求人サイト構造を計画的に設計することが推奨されます。
⑥ インデックス数を管理する
データベース型の求人サイトにおいて、ロングテールSEOの観点からはインデックス数が非常に重要です。インデックス数が増えれば、多くのキーワードで検索結果に表示される確率が高まります。そのため、インデックス数の管理は強く推奨されます。
一般的には、インデックス数が増加することは良いことですが、突然その数値が減少する場合もあります。これは、Googleのアルゴリズムの更新や、インデックスされているページがGoogleのポリシーに違反している可能性が考えられます。
このような状況が発生した場合、まずはGoogleのアルゴリズムに変更がなかったかを調査することが重要です。さらに、サイト自体にも問題が存在する可能性があるため、多角的な調査が必要です。
⑦ 同じようなページが増えるので工夫してページを作成
データベース型の求人サイトでは、求人情報とカテゴリーページが増加する傾向にあります。この問題に対処するためには、データベースから生成されるテンプレートに工夫を加えることが推奨されます。
例えば、地域別のカテゴリーでは市町村ごとの求人状況を追加することができます。また、医療系のカテゴリーでは、病院の数や医療従事者の人数などの追加情報をページに組み込むと良いでしょう。
このようにして、カテゴリーページに付加価値を提供することで、ユーザー体験を向上させることが可能です。
4. データベース型求人サイトのSEO対策改善方法
データベース型求人サイトのSEO対策を改善するためには、いくつかの異なる側面での改善が必要です。これらは大きく、サイト構造の問題、マーケティングに基づいたコンテンツの問題、そしてアクセス数を増加させるための施策などに分けられます。
(1) カテゴリページの確認、修正(サイト内の構造)
タイトルとディスクリプションの確認は重要です。求人情報、地域別リンク、特集ランディングページ(LP)などのカテゴリーページのソースコードをチェックしましょう。ソースコードの表示は、ページを右クリックして「ページのソースを表示」を選ぶか、「Ctrl+U」のショートカットキーを使用できます。
表示されたソースコード内で、「<title>」タグや「<meta name=”description” content=…」タグを確認してください。これらがすべて同じであれば、それは問題です。検索に使用されるキーワードがしっかりと含まれているか、また「<meta name=”robots” content=”index,follow”/>」が設定されているかも確認が必要です。
さらに、URLについても注意が必要です。動的なURLよりも、静的なURLを使用することをおすすめします。
(2) 内部リンクを増やす(サイト内の構造)
内部リンクを増やすことは、GoogleのSEO対策として有効であり、同時に求職者がサイト内で複数のページを訪れる機会を増やす効果もあります。
アクセス数が増加すれば、各ページのインデックス数も増え、その結果検索結果にも頻繁に表示されるようになります。このような良いサイクルを作ることが重要です。
そのため、どのページで訪問者が離脱しているのか、またどのページが応募やお問い合わせに効果的につながっているのかをしっかりと分析することが必要です。
(3) 使いやすいサイトの構造(サイト内の構造)
求人サイトの構造を確認する際には、実際にサイトを使ってみることが重要です。ただし、テストはトップページから始めるのではなく、求人詳細ページからスタートしてください。
多くの求職者はトップページからアクセスすることは少なく、求人詳細ページからのアクセスが多いためです。トップページからアクセスするのは、大抵が同業他社です。
また、サイトのチェックは制作スタッフ自身ではなく、経理や総務など制作に関係ない部署のスタッフに依頼すると良いでしょう。制作スタッフはすでにサイトの構造を理解しているため、初めてサイトを訪れる人の視点での使い勝手は把握できません。
さらに、ターゲットとしているペルソナ(対象ユーザー)の年齢や性別に合った人にもフィードバックを求めると有用です。
これにより、色彩、ボタンの大きさ、配置などに対する具体的な指摘を受けることができます。ターゲットユーザーが普段接している感性に合わせてサイトデザインを調整することで、違和感なくサイトを利用できるようになります。
(4) ページのタイトル、ディスクリプションの見直し
ウェブサイトのページタイトルとディスクリプションは定期的に見直すことが重要です。制作や運営側が持つ固定概念に基づいてこれらを作成するケースは多いですが、ユーザー側の視点はしばしば異なります。
その違いを理解し、タイトルとディスクリプションを作成することが大切です。
特に、タイトルは検索結果でクリックされるかどうかの決め手となる要素です。検索キーワードも含めるようにしましょう。
ただし、検索キーワードに過度に焦点を当てすぎると、ユーザー目線から外れたタイトルになり、結果的にスキップされる可能性が高くなります。
ディスクリプションも非常に重要です。これが検索結果に表示されるため、クリック率に大きな影響を与えます。
しかし、SEOを過度に意識してページ内容と不一致なタイトルやディスクリプションを作成すると、Googleからの評価が下がる可能性があります。この点には注意が必要です。
(5) アクセスを増加させる施策
求人サイトの運営には広告費がかかりますが、その投資は単に求職者の登録数を増やすだけでなく、より戦略的に考える必要があります。
例えば、「Indeed」や「求人ボックス」に依存すると、広告費が単なる月々の支出となってしまいます。特に、これらのプラットフォームのクローリング広告は、サイトへのアクセス増加には大きく貢献しない場合が多いです。
これは、クリックが発生しても、実際に求人サイトにアクセスが発生するのは、応募や問い合わせを行おうとする瞬間だけだからです。
一方で、「スタンバイ(Yahooしごと検索)」のようなプラットフォームは、クリックごとにサイトへのアクセスが発生するため、広告費が将来の投資としても機能します。また、ターゲティング広告は同じ広告費であっても、求人サイトへのクリックが比較的安価で獲得できます。
さらに、求人サイトのSEO対策が成功すれば、無料で登録者を増やすことが可能です。理想的には、全体の登録者の約70%を無料で獲得できるレベルに達すると、それは大成功と言えるでしょう。
(6) 細部に調整をおこなう
データベース型求人サイトのSEOを成功させるには、多角的な視点での見直しが必要です。これには、サイトの構造、職種、地域、そして求人サイト自体のポジショニングなど、多くの要素が影響を与えます。
ただし、これらの修正を行うには、まず「気づき」が必要であり、適切なスキルも求められます。特に中小企業では、これを社内だけで行うのは困難でしょう。
専門家から見れば、大手の求人サイトでも改善の余地は多く存在します。このような専門的な作業は、外部の専門家に委託する方が効果的です。
例えば、タイトルに求職者が反応するようなキーワードを挿入する、XMLファイルでのクローリングを設定する、「APPLY」(アグリケーション求人サイトから来た時にまず応募フォームにする仕組み)使い、登録を促すなど、細かな工夫が可能です。
これらは、求人サイト制作だけでなく、マーケティングにも詳しい外部の専門家に任せると良い結果が出ることが多いです。
ただし、担当者の選定には注意が必要です。特に、若い担当者が専門用語を並べるだけで実際の知識が乏しい場合は要注意です。
求人サイト運営は、ユーザーとの心理戦でもあり、その点を理解している経験豊富な担当者が最適です。若い担当者にはこのような心理的な側面を理解するのが難しい場合が多いので、その点も考慮に入れましょう。
5. まとめ
データベース型求人サイトの成功について、いくつかの事例を含めてご紹介しました。ただし、各求人サイトには改善が必要な部分が異なります。
これを特定するためには、広範な知識と洞察が必要です。最初のステップとして、求人サイトの基本構造をしっかりと理解することが重要です。
次に、ユーザーの視点とGoogleのガイドラインに基づいて、使いやすいサイトを設計することが求められます。
このような課題に本気で取り組む場合、専門家に相談するのが最も効果的です。無料での相談は難しいと考えられるため、適切な料金を支払ってプロのアドバイスを受けるべきです。
なぜなら、データベース型求人サイトのSEO成功は非常に重要であり、今後の人手不足が進む日本において、無料で求職者を獲得できるサイトは高い価値を持つからです。